資産運用アドバイス

セミナーレポート

第39回 資産運用と防衛の実践セミナー【第一部】

2018年10月02日

福井・稲田総合法律事務所 弁護士 稲田 真孝氏
保険ヴィレッジ株式会社 代表取締役 大家さん専門保険コーディネーター 斎藤 慎治氏

平成30年10月2日、メルパルクKYOTOにて財産ドック株式会社による第39回資産運用と防衛の実践セミナーが開催されました。今回は第1部「説明義務違反と貸主の責任~事例に基づき徹底解説!!~」、第2部「実はこんなに役に立つ!賃貸経営を支える家主のための保険活用講座」をテーマに催され、参加されたオーナー様方は皆様熱心に聞き入っておられました。

【第一部】
説明義務違反と貸主の責任~事例に基づき徹底解説!!~

福井・稲田総合法律事務所 弁護士 稲田 真孝氏

【第二部】
実はこんなに役に立つ!賃貸経営を支える家主のための保険活用講座

保険ヴィレッジ株式会社 代表取締役 大家さん専門保険コーディネーター 斎藤 慎治氏

【第一部】
説明義務違反と貸主の責任~事例に基づき徹底解説!!~

福井・稲田総合法律事務所 弁護士 稲田 真孝氏

賃貸人はどのような法的義務を負うのか

賃貸借契約は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって効力を生ずる契約です。
賃貸人は、賃料を支払ってもらう権利がありますが、その反面、さまざまな法的義務を負うことにもなります。賃貸借契約における賃貸人の基本的義務としては、目的物を使用収益させる義務、目的物の修繕義務、費用償還義務などが挙げられます。
また、建物を賃貸する際に賃貸人は、その建物について不利な事実であっても告知しなければならないことがあります。告知しないと損害賠償の義務を負うことがあります。
告知しなければならない事実とは何かが問題となりますが、抽象的には賃借しようとする人が賃借してそこに居住することを困難にする可能性の高いものといえます。
今回のセミナーのてーまでもある賃貸人の説明義務に関して、以下で事例を基に検証していきたいと思います。

仲介業者との関係

仲介業者が存在している事案について、東京地判平成8年12月19日(判時 1616号75頁)及び、大阪高判平成16年12月2日(判タ 1189業275頁)を例に考えます。
前者の事例では、賃貸人提示の賃貸条件で建物を賃借するか否かを判断する上で重要な考慮要素となる事実について告知義務違反があった場合において、右告知義務違反がなければ当該建物賃貸借契約が締結されなかったであろうと認められるときは、賃貸人は、賃借人に対し、当該建物賃貸借契約締結のために賃借人が出捐した費用相当額を賠償すべき義務を負うと判示されております。
また後者の事例(売買に関する事案で売主も仲介業者に依頼していた場合)については、売主が買主から直接説明することを求められ、かつ、その事項が購入希望者に重大な不利益をもたらすおそれがあり、その契約締結の可否の判断に影響を及ぼすことが予想される場合には、売主は、信義則上、当該事項につき事実に反する説明をすることが許されないことはもちろん、説明をしなかったり、買主を誤信させるような説明をすることは許されないというべきであり、当該事項について説明義務を負うと解するのが相当であると判示されております。
両者とも、貸主・売主に対して説明義務が生じているとしており、そこに仲介業者が存在していることは、貸主が説明義務違反を免れる理由にはならないとしています。

心理的瑕疵に関する説明義務

室内で入居者様がなくなられてしまうリスクは、どこのマンションにも内在するものとなっております。近年、高齢者の孤独氏などが社会的な問題になっていることに加え、また高齢者に限らず若年層でも自殺・他殺など入居中に室内で亡くなってしまうこともあるからです。
この場合、まずどのようなことで問題になるかというと、大きく①説明義務、②瑕疵担保責任、③損害賠償請求の3つに大別されます。
その際、考慮する要素としては、
①自殺や事件等の状況(発生場所(室内かどうか)、方法)
②賃貸借契約の内容、目的は何か、単身者用か、ファミリー向けかどうか、賃貸建物の立地条件
③時間の経過の程度(裁判例では、建物内での自殺という事情に対し通常人が抱く心理的な嫌悪感ないし嫌忌感に起因するものである為、時間の経過とともに減少し、やがて消滅するものであることは明らかであるとされています。)
④社会的に知られているかどうか
以上の4点の視点から考える必要があります。これらの視点において重要なのが、「インパクトと風化」です。インパクトとはどれほどの衝撃度かという事になります。
例えば、室内で病気により突然死した場合と、殺人事件により殺された場合では、人が亡くなっているという結果は同じですが、通常人が抱く心理的嫌悪感ないし嫌忌感では明らかに後者の方がインパクトが強いため、より説明する義務も大きくなります。
また、亡くなられたのが20年前であるのと1ヶ月前であれば、当然後者の方が風化の度合いは弱いため、説明義務の重要性が大きくなります。
実際の判例をみてみますと、大阪高裁平成26年9月18日(判時 2245号22頁)では、1年数ヶ月前に居住者が自殺したとの事実があることは、目的物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景に起因する心理的欠陥であり、「瑕疵」にあたるとし、故意に先述の事実を告知しなかった場合、故意によって賃借人の権利又は法律上保護される利益を侵害したものとして、不法行為を構成するろ認め、賃借人は賃貸借契約を解除できるとしています。

その他の事項に関する説明義務

このほかにも、貸主の説明義務が否定された事例と肯定された事例が様々ありますが、判断するにあたっては、
1、契約内容・契約目的が達成不可能又は困難になっているか。
2、契約内容・目的における重要性があるか。
 ①契約内容の分析
 ②契約締結過程でどのような情報がやりとりされていたか。
3、情報へのアクセスが容易なのは誰か。
 ①貸主と借主のどちら側に存在している情報か。
 ②調査をなすべきなのはどちらか。
以上の視点により、個別具体的に判断していく必要があります。

第二部「実はこんなに役に立つ!賃貸経営を支える 家主のための保険活用講座」へ続く

京都ライフ企画管理部 中央営業所

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