資産運用アドバイス

セミナーレポート

今こそ求められる建物の知識

2016年09月02日

株式会社関西総合鑑定所 不動産鑑定士 杉若 浩孝

平成28年9月2日に京都ライフ本社会議室にて開かれました定例セミナーについて、レポートさせていただきます。
今回の定例セミナーは、不動産鑑定士の杉若先生を講師に迎え『今こそ求められる建物の知識』という内容でお話しをしていただきました。
近年、熊本地震をはじめとした自然災害の多発により、建物の耐震性や強度等に関心が高まっています。またそれに加え、土地重視の価値観から建物の価値を見直していこうという流れになっています。今一度、建物や不動産の知識を理解し、今後に繋げていく機会になればとのことでした。

建物の屋根の基礎知識について

今回のテーマとしてまず、建物の屋根の基礎知識についてのお話しをしていただきました。
屋根ひとつとっても、いろいろな特性やメリット、デメリットがあります。例えば、屋根の素材に瓦を用いれば耐久性は高く、塗り替えなどの必要もなく経済的ですが、ほかの屋根材と比較すると重量があり、場合によっては地震による被害が高まる可能性もあります。
それに対して、ストレート屋根でよく用いられる、石質の薄い板の屋根は、最初の施工時は安価に抑えられ、軽量で雨はけも悪くはありませんが、定期的に修繕が不可欠となりそのたびに費用が必要になります。
このように、施工主が置かれている状況や、どのような建物を建てるか、どのような地域に建てるかで、選択すべき屋根は大きく変わります。

気になる耐震基準

次に、気になる耐震基準のお話しをしていただきました。
耐震基準は昭和56年以前か以降かで大きく変わります。以前(旧基準)の場合は震度5程度に耐える強さ、以降の場合(新基準)は震度6強~7の地震で倒壊せず、震度5強程度の地震でも損傷しない、という特徴があります。
そもそも建物の耐震基準とは、建築確認の対象の1つとして定められました。現在、新耐震基準の住宅の比率に注目すると、全国平均は64・9%に対し、京都市は58・4%と平均割れしています。その理由としては、昔ながらの建物が多いことや、高齢化により建替えが進まないこと等が考えられます。

間取りによる安全性

耐震基準だけでなく、マンションやアパートとは違う木造2階建てや3階建ての住宅では、間取りによっても安全性を計ることがでます。
ポイントとしては、
・2階建て【幅90cm以上の壁が入り口部分12 ㎡ごとに縦横均等に1ヶ所以上必要】
・3階建て【間口方向の壁の量が建物の奥行長と同程度・入口付近の壁の量として入口から奥へ約2m内に間口と平行の幅90cm以上の壁2ヶ所必要】
となります。
車庫付き3階建て住宅や、くびれがあったり大きな窓がある間取りは要注意です。入口付近に壁がある家は建物の重さや地震時の揺れを受け止め自立することができるので安心です。
リビングが広い家や、採光がよい大きな窓がある家は理想的ですが、こういったポイントをおさえておく事も重要です。

「耐震改修促進法」による不動産市況や地価動向の変化

冒頭に記載した通り、京都での自然災害(今回は地震がメイン)に対する意識変化の直接的な原因としては、平成25年に改正された「耐震改修促進法」による不動産市況や地価動向の変化が大きいでしょう。
「耐震改修促進法」では、旧耐震基準時(昭和56年以前)に建築されたホテル・旅館は、平成27年度末までに耐震診断を行うことが義務付けられました。この為、これを契機に廃業するホテル・旅館が続出。近年の京都観光ブームにより大手デベロッパーや外資系企業が続々と老舗ホテル・旅館を買取り、新たなホテル・旅館を建設することとなりました。今や京都の地価を牽引するのはホテルとなっています。

また、自然災害の増加から平成25年に改正された法律によって、借家権に対する賃貸人と借家人との関係も変わってきました。罹災都市法が廃止され、借地借家特別措置法が制定されたことにより、借家人保護の要素が弱まり、賃貸借の継続という観点からすると、より公平な制度になったといえるでしょう。
近年多くなっている不動産投資をきっかけに、地震リスクや環境リスクの評価も重要となっています。
また、東京圏や大阪圏等の都心部では、高い建物を建てることによって土地の価値の向上を図るため「土地の高度利用化」が進んでいます。
しかしながら、高層階における雨風等による音の問題、風を遮ることによるヒートアイランドの問題等が指摘されています。そんな中で、京都の景観政策は、建物の高さに制限を設けることにより、歴史ある京都の景観を保持してゆくものとして一定の評価が与えられています。

以上、目先のメリットだけにとらわれず、持続的社会の確立のために建物や土地の価値や知識がいまこそ求められています。

当セミナーにおきましては、さまざまなテーマについて、専門の講師をお招きし定期的に講義頂いております。
ご興味のある方がおられましたら是非、最寄の営業所もしくは財産ドック事務局までお気軽にお問い合わせ下さいませ。今後とも、京都ライフグループをよろしくお願い申し上げます。

株式会社京都ライフ西院店

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